【アニメ】ヴァイオレット・エヴァーガーデン

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

　2018年1月～4月に1クール13話が放送された、京都アニメーション制作のアニメ。原作の小説は、第5回京都アニメーション大賞の大賞受賞作。20世紀初頭のヨーロッパ風架空世界を舞台とした、元少女兵の代筆屋が主人公のヒューマンドラマ。

京都アニメーション（2018年）

　戦場しか知らなかった感情の乏しい元少女兵が、大戦後に郵便社で”自動手記人形”と呼ばれる代筆を行う職業に就き、人間らしく成長していく物語です。

　手紙にまつわるひとつのエピソードを1話で描く形式で、合間にヴァイオレットの過去が挟まるような構成です。最初は人形めいていたヴァイオレットが、少しずつ感情や人間らしさを知っていくさまが、とても丁寧に描写されています。映像が綺麗で、世界観も良かったです。

　原作の小説ではギルベルトは生存しているようですが、アニメでは生存しておらず、ヴァイオレットはギルベルトの死を乗り越えていくんだろうなと思わせる終わり方でした。

　2020年9月に劇場版が公開されています。

　ヴァイオレットの過去について、ギルベルトに引き取られて少女兵として戦っていたあたりは出てきますが、ディートフリートに捕獲される以前がアニメでは不明でした。あと、異常に戦闘能力が高い理由もよく分からなかったのですが、原作にはもう少し詳しい過去が書かれているようです。

　少佐が残した「愛してる」の意味を知るために自動手記人形になり、人との交流の中で少しずつ理解していく。手紙にまつわるひとつひとつのエピソードが、泣けるものであったり心温まるものだったりで、引き込まれました。

　蒸気機関車、タイプライター、機械の義手など、少しスチームパンクっぽい世界観で、映像として映えるシーンが多く、とても見ごたえがあります。