【ドラマ】刑事モース オックスフォード事件簿 Case10

刑事モース～オックスフォード事件簿～　Case10　表と裏のバラッド

　1960年代のオックスフォードを舞台とした、刑事ドラマ。コリン・デクスターの「モース警部」を原作としたドラマ、「主任警部モース」の主人公の過去を描いたスピンオフ。視聴したのはWOWOW版です。

　登場人物とあらすじはネタバレなしですが、感想はトリックや犯人のネタバレありになっていますのでご注意ください。

刑事モース～オックスフォード事件簿～Case10

イギリス（2016年）

PrimeVideo

• 原題：Endeavour　Case10（Season3 Episode1）　Ride
• 制作：イギリス（2016年）
• 原作：コリン・デクスター「モース警部」
• プロデューサー：ダン・マカロック
• 脚本：ラッセル・ルイス
• 出演：ショーン・エヴァンス　他

登場人物

• アンソニー・ドン　湖畔の別荘をモースに貸している大学時代の同級生
• ジーニー・ハーン　バスの女車掌
• ブルース・ベルバロー　モースの大学時代の同級生で湖畔の別荘の住人
• ケイ・ベルバロー　ブルースの妻
• ジョス・ビクスビー　湖畔の別荘を所有する大富豪
• ジェーナス・グリール　移動遊園地のマジシャン
• ロディ　ビクスビーのカジノに出入りしていた学生

あらすじ

　湖畔の別荘地で、車で轢き殺された女性の遺体が発見される。被害者はバスの車掌をしていたが、前日に恋人と訪れた移動遊園地で失踪していた。別の場所で見つかった彼女のハンドバッグの中には、大富豪ビクスビーの経営するカジノのチップが入っていた。

　彼女は、モースの同級生で湖畔の別荘地の住人でもあるブルースの愛人だった。

感想

　正直、初見ではトリックや流れは分かったものの、ちょっといろいろどういうことかな、という状態でした。

　分かりづらかった場面を見直したり、解説を読んだりしてやっと整理がつきました。

　ヘロインが絡むのでややこしくなっていますが、要はこの話、1人の女性をめぐる双子の愛憎劇ということです。

　まず、そもそも発端となるのが、移動遊園地のマジシャンが双子の息子を1人に見せかけて育て、マジックに利用していたという過去。表に出ていたのは、後にビクスビーとなるチャーリーで、影の存在となっていたのがコンラッド。

　チャーリーは同じショーの仲間のキャシーと恋仲になるが、コンラッドもまた彼女に恋慕し、同じ顔であることを利用して関係を持つ。その事件をきっかけに、チャーリーとキャシーは駆け落ちするが、コンラッドの件が原因で結局は破局。

　後にキャシーはモデルとなり、富豪のブルースと結婚する。そのことを知ったチャーリーは、ヘロインの取引も手掛けるマフィアのボス的なスロット王をパトロンに、ビクスビーと名を変えてキャシーと接触しようとする。

　一方、チャーリーがいなくなったため、父親の元で別人に変装して生きていくことになったコンラッドは、ビクスビーと入れ替わって新たな人生とキャシーを手に入れる計画を立て、実行に移す。

　キャシーの夫であるブルースを陥れるため、彼の愛人を、湖畔の別荘近くで轢き殺す。その後、ビクスビーを撃ち殺して埋める予定だったが、想定外にモースがすぐに駆けつけて遺体を引き上げてしまう。そのため、顔の潰れた遺体をカジノで大負けした学生のものとこじつけるために、急遽彼を殺害する。

　そして、ビクスビーになりすまして姿を現した。

　まあ、そこからさくさくと謎解きが始まって、父親に殺されてしまうわけですが。

　何の伝手もないのにマフィアをパトロンに大富豪となれるのかとか、さすがにビクスビーの遺体がカジノで大負けした学生のものでないことくらいそのうち分かるだろうとか、ツッコミどころはなきにしもあらずですが、複雑につくってあるため良い頭の体操になりました。