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【歴史本】ジャンヌ・ダルク

公開日: : 最終更新日:2022/02/27 読書 , , , ,

ジャンヌ・ダルク

 アンドレ・ボシュアによるジャンヌ・ダルクについてまとめられた本です。ジャンヌ・ダルク関連書籍の中でも出版年の古い本になります。

アンドレ・ボシュア
  • 著:アンドレ・ボシュア
  • 訳:新倉俊一
  • 出版社:白水社
  • 発行日:1969年9月5日

概要

 当時のフランス、イギリス、ブルゴーニュの情勢から始まり、オルレアンの包囲、ジャンヌ・ダルクの登場、聖別式、パリ、弾劾裁判、処刑後といった時系列に則った構成になっています。処刑後に現れたジャンヌ・ダルクのにせものについても、ひとつ章を立てて解説してあります。巻末資料は、フランス王室家系図および略式年表がついています。

 全体を見ると、ジャンヌ・ダルクの活躍よりも、弾劾裁判および名誉回復について多くページ数を割いて書かれていました。

 また、最終章では「ジャンヌ・ダルクの時代の国民感情」と題し、当時の国や王権に対する認識、イギリスに対する感情といった内容がまとめられています。これは、他のジャンヌ・ダルク関連書籍ではあまり見かけないトピックでした。

感想

 刊行が古いため、言い回しや表現などが分かりづらく感じる部分もありますが、史料からの引用も多くおもしろく読める一冊でした。

 参考文献の備考として日本で刊行されたものが挙げられており、「乱世の日記―シャルル6世、シャルル7世統治下のパリ一市民の日記」というタイトルの本があることを初めて知りました。絶版のため入手するのは難しそうですが、とても興味を惹くタイトルです。

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