【ドラマ】SUPERNATURAL S1-EP1

SUPERNATURAL S1-EP1 悪夢のはじまり

　2005年9月～2020年11月にアメリカで放送された、全15シーズン327話のダークファンタジー。ディーンとサムのウィンチェスター兄弟が、アメリカ各地を回って霊や怪物などを退治し、人外の引き起こす事件を解決していく物語。

　登場人物とあらすじはネタバレなしですが、事件概要および感想はネタバレありになっています。また、最後にファイナルシーズン最終話までのネタバレありの感想を記載していますのでご注意ください。

SUPERNATURAL S1-EP1

アメリカ（2005年）

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• 原題：SUPERNATURAL S1EP1　PILOT
• 制作：アメリカ（2005年）
• 企画原案：エリック・クリプキ
• 脚本：エリック・クリプキ
• 監督：デビッド・ナッター
• 出演：ジェンセン・アクレス、ジャレッド・パダレッキ　他

登場人物

• ディーン・ウィンチェスター　本作の主人公
• サム・ウィンチェスター　本作の主人公でディーンの弟
• ジェシカ・ムーア　サムの恋人
• トロイ　ジェリコで失踪した青年
• エイミー　トロイの恋人
• コンスタンス・ウェルチ　1981年に死亡した女性
• ジョセフ・ウェルチ　コンスタンスの夫

あらすじ

　1983年11月2日、カンザス州ローレンス。兄のディーンが4歳、弟のサムが生後6ヶ月のときに、母親のメアリーは悪魔に殺される。

　兄弟の父親のジョンは、天井に磔にされて腹部から血を流し、その後炎に包まれるという異様な妻の死の真相を探るため、闇に潜む魔物や悪霊を狩るハンターとなる。

　それから22年後の2005年。サムは私生活を犠牲にするハンター業に疑問を持ち、家族から離れてスタンフォード大学で学生生活を送っていた。

　そこに、2年間連絡を取っていなかった兄のディーンが、音信不通となった父親の捜索への協力を求めて現れる。最初は断っていたサムだが、ディーンに懇願され、月曜日の面接までには戻るとの条件で同行する。

事件概要

• 場所　カリフォルニア州ジェリコ
• 時期　2005年10月末～11月2日
• 情報源　ジョンが追っていた事件
• 現状　この1年で3名の男性が失踪、後にもう1名失踪者が出る
• 過去の事件　過去20年で10人が失踪
• 原因　1981年に自殺したコンスタンス・ウェルチの霊
• 解決方法　溺死した2人の子供の霊と引き合わせることで消滅

初出情報・小ネタ

• 母親のメアリーは、ディーンが4歳、サムが0歳のときに死亡した
• メアリーは、天井に磔にされて腹部から血を流し、炎に包まれて死亡した
• メアリーの死亡日は1983年11月2日
• メアリーが殺されて、父親のジョンは人外を狩るハンターになった
• ジョンは9歳のサムに銃を渡し、兄弟を戦士みたいに育てた
• 大学に進学するサムに対して、ジョンは”好きにしろ。戻るな。”と言った
• この2年、ディーンとサムの接触はなかった
• ディーンが電話をかけてもサムは出ない
• ディーンは26歳で、ジョンとは別行動を取るようになっている
• ハンター業は金にならないため、偽造カードを使っている
• ジョンは元海兵隊
• サムはジェシカが母と同様の死に方をしたことでハンターに復帰する
• インパラのナンバープレートはKANSAS KAZ 2Y5

感想

　DVDには、製作者ピーター・ジョンソンとパイロット版の監督デビッド・ターナー、原案および製作総指揮のエリック・クリプキの3名によるオーディオコメンタリーがついていますが、それによると最初はディーン役のジェンセン・アクレスにサム役をオファーしていたとのこと。その後、ディーン役をオファーし直したそうです。サムはルーク、ディーンはハン・ソロののイメージだったとか。

　エリック・クリプキは、昔からアメリカの都市伝説にまつわるドラマを考えていたようで、1年前に持ち込んだ案は、新聞社に勤める記者が悪魔狩りをする話だったそうです。

　彼の言によると、重要なのは主役二人が兄弟であるという点で、ストーリーが毎回変わることを好まない視聴者もいるかもしれないが、この兄弟には興味をそそられるはずとのこと。兄弟ものという点で見始めた身としては、まったくそのとおりとしか言いようがありません。

　感傷的で湿っぽい会話は極力控え、リアルな兄弟らしくしているようですが、この描き方は秀逸ですね。口論についても、どちらの言い分も理解できるし、口ではいろいろ言いながらも家族を大切に思っていることは伝わってきます。サムの下宿の部屋には、両親の写真が飾ってありましたし。

　橋での口喧嘩のときも、コンスタンスの幽霊が現れるとがらっと切り替えてそっちを優先します。車に襲われ、ディーンが川に飛び込んだときは、サムは無事が確認できるまで必死に名前を叫んでいました。

　その後、モーテルで謝罪しようとするサムに、ディーンが湿っぽいのはごめんだと返して仲直り。このシーンだけでも、気心が知れているというのがよく分かります。おなじみの”Jerk”、”Bitch”のやり取りも、ここで出てきます。

　今回出てくる偽名は、バート・アフラミアンと息子のヘクター。偽造クレジットカードの名義で、ジョンとディーンの2名分です。ディーンがモーテルで利用した際、ジョンが1ヶ月前払いで部屋を借りていることを知るきっかけとなります。

　共に事件を解決しながら、ディーンは何度かなし崩し的に父親探しの旅に同行させようとしますが、結局サムを下宿先まで送って別れます。そこからのジェシカ死亡で、一転してサムがハンター復帰を決意するという流れは見事だと思います。

　ジェシカが炎に包まれる場面で、車を発進させたはずのディーンが駆けつけるのが謎でしたが、未公開シーンではUターンさせるカットがありました。本編では入れる余裕がなかったのでしょうが、このカットはなんとかねじ込んでほしかったです。

ファイナルシーズン最終話までのネタバレあり感想

　初見のときのディーンは、普通の生活をしたがっている弟をやや強引に狩りに引き戻そうとしている兄に見えましたが、後々に心情が語られると印象が変わってきます。

　S1-EP6《もう一人の自分》のシェイプシフターの言によると、弟は離れていき、何でも従ったのに父親に捨てられた。S15-EP20《キャリー・オン 前へ進め》では、サムに拒否されるのが怖くてしばらく中に入れなかったと。

　この辺併せて考えると、メンタルズタボロの状態で、やっとの思いでサムの前に現れたわけですよね。それをサムは断るわけです。"独りでできるさ"とか言って。もう、この時のディーンの胸中を考えると心が折れそうです。

　頼み込んでジョンが追っていた事件の調査には同行させ、二人で解決しますが、父親は行方知れずのままサムは奨学金の面接を優先させます。

　サムの立場で考えると、家族の理解を得られない状態でスタンフォード大学に受かり、恐らく学費や生活費は奨学金やアルバイトでまかないながらロースクールへの進学も決めているので、努力して積み重ねたものをそう簡単には投げ出せないのも理解できますが。

　ジェシカが殺されたことで、一転してサムが同行することになった展開は、ディーンにとっては複雑だったのではないかと思います。

　時期は、ハロウィンの10月末から、S1-EP2《闇と戦う旅出》でジェシカの墓に刻まれていた没年の2005年11月2日までにしています。

　余談ですが、カレンダーでは2005年11月2日は水曜日でした。サムの月曜日の面接までには戻るという発言と、留守電のジェシカの伝言が土曜日の夜10時20分頃と言っていることから、金曜深夜にディーンと再会、土日で調査および解決、日付の変わった月曜未明に帰宅と思われますが、曜日が合わないんですよね。このあたりがちょっと謎な部分です。

　そして、シーズン15まで見てからシーズン1に戻ると、2人とも若いですね。この頃はガラケーだったり、15年の時間を感じてしみじみしてしまいました。あと、ディーンがアミュレットをつけてるのが懐かしかったです。