【歴史本】ジャンヌ・ダルク
JEANNE D'ARC ジャンヌ・ダルク
レジーヌ・ペルヌー、マリー=ヴェロニック・クラン編、福本直之訳。ジャンヌ・ダルク研究所の初代所長による、ジャンヌ・ダルクまとめ本です。
- 編著:レジーヌ・ペルヌー、マリー=ヴェロニック・クラン
- 訳:福本直之
- 出版社:東京書籍
- 発行日:1992年9月12日
概要
この1冊を読めば、ジャンヌ・ダルクに関しては大抵のことは網羅されています。当時の情勢、出来事、主要登場人物、諸説の検証、ジャンヌ・ダルクを題材とした芸術作品等々。巻末には年表や索引もついていてかなり充実しています。
第1部「戦記」では、ジャンヌ・ダルクの足跡が記されています。ヴォークルールからシノンを経て、オルレアンでの戦闘。ランスまでの道程。パリで捕虜になってから処刑まで。フランスのその後や、ジャンヌ・ダルクの死後に行われた復権裁判についても書いてあります。
第2部「主要登場人物」は、ジャンヌ・ダルクにまつわる主要人物とのことで、シャルル7世を始め、17人の人物の解説がなされています。
第3部「討議」では、後世で議論されていることや、文学作品や舞台作品、芸術作品などがまとめられています。ジャンヌ・ダルクの肖像画の写真資料も、カラーではありませんがいくつか掲載されています。
感想
ハードカバーで厚さのある本ですが、小説に近い文体で、非常に読みやすいです。また、目次後に簡単な登場人物紹介や、地図の挿入などもあり、本書を読むための一助となっています。
索引は、地名索引、同時代人名索引、後世の研究者・関係者人名索引、事項索引と分類されていて、調べ物の際は便利です。ジャンヌ・ダルクについて、ある程度詳しく全体像を知りたい場合におすすめの1冊です。
おもしろいことに、一部の作品では重要な役どころとして描かれるジル・ド・レは、第2部でまとめられている主要登場人物の17名には入っていません。まったく記載がないわけではなく、フランス王国元帥としてちらほら名前は出てきますが、本書においては主要人物には該当しないようです。ジル・ド・レについては、ジャンヌ・ダルク関連書籍の中でも扱いがまちまちで、そのあたりも興味深いところです。
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