【映画】移動都市/モータル・エンジン
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最終更新日:2023/04/03
映画 感想, 移動都市, モータル・エンジン, フィリップ・リーヴ, ピーター・ジャクソン, クリスチャン・リヴァーズ
移動都市/モータル・エンジン
イギリスの作家フィリップ・リーヴの「移動都市」を原作とした作品で、日本での公開は2019年3月。脚本および制作にはピーター・ジャクソンが名を連ね、ヒューゴ・ウィーヴィングも出演しています。
概要および感想はネタバレありになっていますのでご注意ください。
- 制作:アメリカ(2018年)
- 原作:フィリップ・リーヴ「移動都市」
- 監督:クリスチャン・リヴァーズ
- 脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
- 音楽:トム・ホルケンボルフ
- 出演:ヘラ・ヒルマー 他
あらすじ
60分戦争で文明が崩壊した後の世界。都市はハウルの動く城のごとく移動式が主流となり、都市が都市を捕食して資源化するという弱肉強食の都市バトルが繰り広げられる時代となっていた。
そして、移動都市の中でも最強とされる絶対王者がロンドン。セント・ポール大聖堂やトラファルガー広場のライオン像も搭載されています。
すべての都市が移動しているというわけではなく、盾の壁と呼ばれる防壁の向こうには静止都市があり、反移動都市同盟なるレジスタンス組織が編成されています。最終的には、ロンドンvsレジスタンスという構図です。
感想
ロード・オブ・ザ・リングのピーター・ジャクソン監督が制作に携わっただけあって、とてつもなく映像がきれいな作品です。スチームパンク的な世界観で、各種ジブリを混ぜ合わせたビジュアルを実写化したような映像は、それだけでも一見の価値があると思います。
ストーリーは割とシンプルですが、これでもかというくらい映像での世界観を見せてくれます。原作未読のため「移動都市」の映画化作品としての是非は語れませんが、個人的にはとても楽しめました。
主人公のトムは、ロンドンの史学士見習いですが、もうひとりの主人公ヘスターを主軸に据えた物語のためか、存在感はいまひとつ。
キービジュアルにもなっている赤いマフラーの少女ヘスターが、母を殺した考古学者ヴァレンタインに復讐するため、ロンドンに潜り込むところから話は始まります。幼い頃に考古学者の母を殺され、人を機械化した人型兵器に育てられた過去を持ちますが、この人型兵器がヘスターのストーカーと化していて、話を盛大に引っ掻き回してくれます。
人型兵器との戦いの後は、文明を崩壊させた兵器メドゥーサを復元させたヴァレンタイン卿率いるロンドンとの最終決戦。母の形見がメドゥーサ自爆の鍵となっていたり、ヴァレンタイン卿が実の父だったりと、いろいろありながらもメドゥーサの破壊に成功し、終わり方は爽やかです。
が、どうやらこの作品、制作費回収にも至らなかった超赤字映画のようです。一体何が駄目だったのだろうか……。
2時間ちょっとに壮大な世界観とストーリーを詰め込み、更に移動都市などビジュアル的な見せ場にも時間をかけているため、説明不足と登場人物の掘り下げの浅さは確かに否めないところではあります。
ただ、この映像、好きな人はものすごく楽しめると思います。ラピュタやハウルが実写だったらこんな感じ、という雰囲気で。移動都市や空中都市、静止都市のビジュアルや飛行船など、本当に映像に力を入れています。
力配分を都市の造形と映像に全振りしているような作品なので、ある意味マニア向けなのかもしれませんが……。
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